”音声”で愉しむメディア

2023.03.10雑貨

YoutubeやNetflixなど映像メディア全盛の時代に、敢えて「音声」だけに限定したメディアが静かなブームになっています。今回ご紹介する「音声で愉しむメディア」とは、iTunesやspotifyに代表されるような音楽系のものを指しているのではありません。テーマは「除く音楽」です。

音声はIPラジオからSNSまで

2010年にサービスをスタートさせたRADIKO(ラジコ)は、全国のラジオ放送をスマートフォンやPCで視聴できるインターネットラジオです。サービス内容によって様々な制限はありますが、加盟局が増えるにつれて北海道に住んでいても沖縄のラジオ放送が聞けるというエリアフリーの魅力が徐々に浸透しています。今では、沖縄のラジオ局に全国のファンからリクエストやメールが届くようになっています。ユーザー離れが進んでいたラジオを再び魅力的なメディアとして復活させたRADIKOは、音声メディア復権のフラッグシップと言えます。

アメリカでスタートした音声SNSアプリ「Clubhouse(クラブハウス)」は、2021年1月に日本国内向けβ版の運用が開始されるやいなや、芸能人や文化人を中心に、瞬く間に広がりました。「世界中の人が気軽に話し合える場所を提供する」をコンセプトに、友人や見知らぬ人とラジオのような会話を楽しんだり、気軽に飛び入りで参加したりできるサービスとなっています。アプリには、多様なトピックに関する会話、トークショー、音楽、ネットワーキング、デート、パフォーマンス、政治的な議論など、様々なクラブやバーチャルルームが用意されています。同様のサービスは2023年からTwitterでも「Twitterスペース」として開始されました。ユーザーの多さから、現在、Clubhouse以上に注目の的となっています。いずれにしても、顔は見えないけど、臨場感やライブ感が味わえる音声SNSは、ここ数年、継続的に注目すべきメデイアだと言えます。

オーディオブックは、娯楽にも、学びにも

本を朗読で聴かせるオーディオブックサービスが急速に伸びています。その代表格はAmazon Audible(アマゾンオーディブル)です。ビジネス書から小説、エッセイ、さらにはAudibleオリジナル作品まで、約12万の作品の中から、好きなものを好きなだけ聴くことができるサブスク・サービスです。朗読をするのはプロのナレーターや俳優などが担当しており、とても聴き心地のいい仕上がりになっています。全体の中で小説作品は、まだまだ少ないのですが、映画やドラマで活躍している俳優による作品が多数あり、好きな朗読者を軸に作品を選ぶという、本とは違った楽しみ方もあります。
音声の速度をアップする機能があるのですが、ビジネス書の場合は、200%でも内容把握には問題ありません。小説やエッセイの場合、朗読者の良さを活かすためには、当然、通常速度がベストなのですが、私は130%の速度でも充分に良質な雰囲気を味わえると感じました。目を使わずに読めるオーディオブックサービスだからこそ、音楽同様にお料理やお掃除をしながら読めるし、就寝前にも最適です。ちょっとした空き時間を使って勉強をしたり、音声ドラマを楽しんだりしてみてはいかがでしょうか?

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KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。

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