2024.04.10食べもの
昭和の頃のイメージならば、お粥は体調の悪い時の療養食。平成の後半からはヘルシーな食事として、レトルトが店頭に並ぶようになり、令和のコロナ禍において在宅勤務が増えたことで、軽めの昼食としてお粥への注目度が高まりました。今年は新タイプのお粥が続々登場し、「令和のお粥ブーム」が来るような予感がします。
「お粥」は日本で古くから親しまれているお米のレシピの一つですが、周辺のアジア諸国を見渡してみると、中国や韓国、台湾、ベトナムなど、それぞれの地域に特色のあるお粥があります。最近は日本でも外食メニューなどに、こうした「アジアン粥」を度々目にするようになりました。日本のお粥は、米を水で炊いたシンプルなものが主流で、市販されれているレトルトお粥のラインナップを見ると、具材は梅や卵といったあっさりとしたものが多いのが特徴です。一方で、アジアン粥は、鶏ガラスープをベースに肉や魚介類を加えて炊いた「中華粥」や鶏肉に香草、ライム、チリなどをアレンジしたベトナムの「チャオガー」など、しっかりとした食事という印象です。
中国のファーストフードチェーンでは、朝メニューのセットにお粥が選べるほど、お粥が日常の食シーンに定着しています。トッピングは高菜、ピータンの2種類で、セットにハッシュドポテトと豆乳がついてくるそうです。日本でも中国粥を出すお店が増えているので、こんなファーストフード店もそのうち登場するかもしれません。
お隣の台湾では、揚げパンと一緒に朝ごはんとして食べる「鹹豆漿(シェントウジャン)」というスープが有名です。シェントウジャンは、豆乳に酢を入れておぼろ豆腐状に固めたスープで、プルプルの食感とヘルシーな味わいが魅力です。このシェントウジャンにお米を混ぜたシェントウジャン風のお粥が、ここ最近、レシピサイトなどで話題になり、商品化されるほど注目のお粥になっています。
いままで日本のスーパーに置かれているお粥はレトルトが中心でしたが、韓国ではカップ入りのお粥がバリエーション豊富に販売されており、日本に比べると、お粥がメジャーな食べ物として親しまれてることがわかります。昨年から今年にかけて、日本でも、レンジでチンするだけで食べられるカップ入りのお粥が数社から発売され話題になっています。いずれも従来のあっさりとしたお粥とは違って、しっかりした味付けの食べ応えのあるお粥になっています。
からだスマイルプロジェクトから発売された「まぜぐ粥」は、消費者がお粥に対して抱いている「具材感が少ない」という不満に応えた新しいジャンルのお粥です。ヘルシーでおいしい具材とソースが混ぜられており、食事として十分満足できる食感になっています。味のバリエーションは「麻辣担々風」と「ボロネーゼ風」の2種類。具材には高タンパク・低脂質の大豆ミートを使用しているため、レンジで温めたときにパサつきがなく美味しい仕上がりになっています。しかも1食が約100kcalに抑えられていますので、カロリーが気になる方も安心して食べることができます。
時間がない時に手軽に食事を取ろうとするとファーストフードやインスタント食品などを手にすることが多く、少し栄養が気になってしまいますが、レンジでチンするお粥なら、忙しい時でもヘルシーにお腹を満たす料理として若者層から忙しい中年層まで人気が広がりそうですね。