2022.06.30食べもの
私たちの食生活には、パン、パスタ、うどんなど小麦製品があふれていますが、ここへ来て、お米に注目が集まっています。
理由はいくつかありますが、その一つは、新型コロナウイルスによる船便の供給不足や為替の円安、さらにはロシアのウクライナ侵攻を受け、国内で使用する小麦の9割を占めていた海外からの供給が不安定になっているからです。それに加えて昨今注目されているグルテンフリーブームの後押しもあり、小麦製品に替わって、からだにもやさしいお米を使った製品が注目されているのです。
今回は、改めてお米の魅力と可能性を調べてみました。
お米は日本において古くから食べられてきた主食ですが、お米の持つ魅力について意外と知らないことがたくさんあります。お米は小麦に比べてアミノ酸スコアが高く必須アミノ酸のバランスが良いため良質なタンパク質を摂ることができます。また血糖値が緩やかに上がる低GI食品のため体への負担も少なく、その上、小麦製品に比べて食べ応えがあるのもお米の良いところです。
大手製菓会社では食物アレルギーに対応した国産の米粉100パーセントのパンを製造しています。米粉にはグルテンが含まれないため、小麦粉のパンのように柔らかく、もちっとした食感を出すのはとても難しいのですが、この商品は米に含まれる粘り成分であるアミロペクチンという成分を活かし、もちもちの食感を手に入れています。3月の発売以来、消費者からの問い合わせも殺到し、4月、5月と非常に好調な販売で推移しているようです。さらに、この会社では、世界で初めて「お米由来の乳酸菌」も開発しています。
大手通販サイトを見ると、米粉パスタ、米粉うどん、米粉ケーキなど、ほとんどの小麦製品を米粉で代替えできるほどの豊富な種類の商品を様々なメーカーが開発・販売しています。いずれも、米の可能性を感じさせてくれる商品ばかりです。
玄米には100gあたりビタミンB1が0.41 g 、マグネシウムが110mg、食物繊維が3.0gと栄養素がたっぷり含まれていて、ビタミンB群は代謝を助ける働きがあり食物繊維は腸内環境を整えてくれるなど、良いところばかりです。
白米に比べて扱いにくいイメージの玄米ですが、最近ではレンジでチンしてすぐに食べられる即席の玄米ごはんも販売されています。即席米飯は日常使いではなく備蓄食料としての用途がメインであまり美味しさを追求していない印象がありましたが、近頃ではコロナ禍による在宅ワークの普及や小中学校の休校などの影響を受けて、忙しい合間でもおいしい食事を摂りたいという需要が急増したことにより、手軽で、栄養価が高く、おいしく食べられる即席米飯の人気が高まっています。からだスマイルプロジェクトの個装米飯シリーズも手軽に食べられて、からだにもやさしい人気商品です。玄米に加えてヘルシーな雑穀がミックスされており、からだに必要な色々な栄養素を摂ることができます。私のおすすめは、「発芽玄米ともちあわごはん」、「玄米とスーパー大麦ごはん」です。
本来、日本人の主食であったお米は、パンなどの輸入小麦製品にとって替わられてきましたが、食糧難が叫ばれる昨今、ご飯を食べ、米粉を使ったパンや麺類を食べることで、健康が手に入いるだけでなく、お米農家を将来にわたって維持することができ、ひいては、日本の食糧自給率も高められることになります。令和の米ブームは、一石三鳥とも言える好ましいブームだと私は思います。