牛乳、再発見!

2024.02.10食べもの

「A2ミルク」をご存知でしょうか?今、海外ではこのA2ミルクの人気が急上昇、日本にも少しずつ入ってきています。私たちにとって牛乳は身近な存在ですが、実はまだまだ知らないことがたくさんあります。今回は注目のA2ミルクからお馴染みのものまで“牛乳の魅力”を再確認してみたいと思います。

A2ミルクとは?

そもそも牛乳は、β-カゼインというたんぱく質の遺伝子の種類によってA1とA2に分けられます。β-カゼインの遺伝子パターンは、「A1A1」「A1A2」「A2A2」の3パターンあり、A2ミルクはA2A2の遺伝子のミルクのことを指します。国内の乳牛のほとんどがA1A1またはA1A2の遺伝子を持っているため、A2A2の遺伝子を持つ乳牛からしか取れないA2ミルクの流通量は、とても少ないのが現状です。

なぜ今、A2ミルクが注目されているかというと、一つは栄養価がとても高いことです。必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、コレステロール値の低下やアレルギーによる炎症の抑制、高血圧の改善などが期待できます。またタンパク質の含有量も多いため、カルシウムや必須ビタミン、ミネラルなどを効率よく摂取することができます。

もう一つの注目される要因は、牛乳を飲むとお腹がごろごろしてしまう「乳糖不耐症」の人への対策です。乳糖不耐症の原因は、β-カゼインのA1遺伝子だと言われています。A2ミルクには、このA1遺伝子が含まれていないため、症状の緩和が期待できます。国内でも、A2ミルクを使った乳製品の開発が始まっており、牛乳があまり得意ではなかった人でも安心して牛乳をとることができようになります。

意外と知らない牛乳のこと

一口に牛乳と言っても、スーパーには様々な種類の牛乳が並んでいます。一見、それほどの差が無いように見えても実はそれぞれしっかりとした違いがあります。
生乳の主成分は水分・乳脂肪・乳タンパク・炭水化物・ミネラル・ビタミンであり、その後の加工方法によって種類が、以下のように分かれます。

●牛乳……生乳を加熱殺菌しただけのもの
●成分調整牛乳……生乳から水分、乳脂肪分、ミネラルなどをのぞいて調整したもの
●低脂肪牛乳……遠心分離により生乳から乳脂肪分の一部を除去、乳脂肪分を0.5%以上1.5 %以下にしたもの
●無脂肪牛乳……生乳から乳脂肪分のほとんどを除去し、乳脂肪分を0.5%未満にしたもの

こうした違いが理解できれば、用途に合わせて選ぶことができそうですが、他にも、製造メーカーによって加熱殺菌の方法が違ったり、その前後の処理に独自の方法を取り入れたりと、様々な製品が販売されています。国内には300を超える製品があると言われていますので、色々と試してみる価値はありそうです。どのブランドも北海道産というイメージを持っている人が多いと思いますが、飲用牛乳の生産地ランキングの2位は神奈川県、3位は茨城県と意外にも関東圏で生産されています。その他にも全国各地で生産されているため、各地に個性的なローカルブランドがたくさんあります。旅行に行ったときなどに、地方のスーパーを覗いてみて、見たこともない牛乳を味わってみるのも楽しそうです。

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KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。

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