プラネタリウムを楽しむ休日

2024.06.11おでかけ

日本はプラネタリウム先進国

ひとたび足を踏み入れると、そこは満天の星空。一瞬にして別世界に連れて行ってくれるプラネタリウム。世界初の近代的なプラネタリウムは、1923年、ドイツのハイデルベルクにあるバーデン天文台から始まりました。研究員が天体運行の再現による説明を行うためにレンズメーカーで有名なカール・ツァイス社に依頼し発明されたと言われています。日本で最初に設置されたプラネタリウムは、1937年の大阪市立電気科学館。国産初のプラネタリウムは、1958年に、千代田光学精工(のちのコニカミノルタ)によって開発されました。それから60年以上経過した現在、日本には約300基のプラネタリウムがあり、全都道府県に最低でも1箇所はプラネタリウムがあります。あまり知られていませんが、実は、日本はプラネタリウム先進国なのです。

日本で一番大きなプラネタリウムは「名古屋市科学館」のもので、内径35mの大きさは世界最大で、ギネスにも認定されています。また「はまぎんこども宇宙科学館」には世界一の星の数を投影できる投影機があり、少なくとも7億個以上の星を投影できるそうです。

大きさや設備の性能だけでなく、日本のプラネタリウムには天体の解説をしてくれる専属の学芸員がいることがほとんどで、これもプラネタリウム先進国と言われるゆえんでもあります。学芸員は、ライブで解説したり、自作の資料などを使ってオリジナリティ溢れる解説があったりと、施設ごとに特色ある運営をしています。子ども達の学びの場として大切な役割を担ってきたプラネタリウムですが、こうした努力もあってか、近年では大人のデートスポットや癒しの空間としても人気になっています。

プラネタリウムで扱うテーマや演出も日本独特で、ここでは紹介しきれないほど個性的な施設がたくさんあります。

ワクワクが止まらないプラネタリウム

全国各地のプラネタリウムの多種多様なプログラムをご紹介します。

癒しがテーマのプログラムでは、オリジナルアロマでの香りの演出やオーケストラの生演奏、人気声優や俳優などのプロによる朗読などがを上演されています。座席も通常のシート以外に、寝っ転がれる芝シートやふわふわのベッドのような雲シートといったプレミアムシートもあるので、心置きなくリラックスした時間を楽しむことができます。他にも、都会の喧騒から離れひとときの癒しを提供してくれるプログラムが盛りだくさんです。

日本国内だけでなく、世界の名所とその場所の星空を巡るようなプログラムも数多く上映されており、なかなか見られない貴重な星空を体験することもできます。例えば、フランスの景色と星空を楽しめる40分のプログラムは、フランスに大切な人と旅行に行くようなイメージで演出されています。ライトアップされたモンサンミッシェルを堪能した後に一般人は入れないピレネー山脈の頂上にあるピック・デュ・ミディ天文台から見上げる満天の星空も楽しめます。

プラネタリウムが初めての人には、アニメやゲーム作品、ミュージシャンとのコラボ上映もおすすめです。アニメコラボの場合は、作品のキャラクターたちが解説してくれるため、わかりやすくたのしく聞くことができます。自分の好きな作品のキャラクターたちがどのように登場してくるのかも見所です。ミュージシャンの楽曲を星空に合わせて流す演出は、音楽ファンにはたまらない演出になっています。星の名前を冠した楽曲はたくさんありますが、その星を見ながら聞く曲はミュージックビデオ以上のイマジネーションをかき立てるとファンの間で話題になっています。

子どもたちは宇宙への興味を広げ、大人たちは、非日常の空間で他にはない癒しをもらえる。プラネタリウムには、誰もが感動できる魅力が詰まっています。外は梅雨空でもプラネタリウムは、いつでも満天の星空です。次のお出かけは、鬱陶しい梅雨の気分転換に、プラネタリウムへ行ってみてはいかがでしょうか?

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KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。

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