大学公開講座で広がる学び

2024.05.21おでかけ

大学公開講座の意義

学びは子どもから大人まで生涯大切なものです。学びのために書籍は重要なコンテンツですが、今や、動画やアプリなど無料ツールもたくさんあります。そんな中、今後、注目したいのが大学が行っている「公開講座」です。
公開講座は、様々な専門的な知識を有する知識人や世界の第一線で活躍している研究者の講座でも、手軽に受講できるという点が魅力であり、分野も多岐に渡っているため自分が関心のある事象に対して他では知り得ない知見を深めることもできます。ここが、他のツールやコンテンツなどと大きく異なる点です。

都心の大学から地方の大学まで生涯学習センターを設けている大学では、多種多様な公開講座が開催されています。最近ではオンラインでの講座も目に付くようになりました。受講対象者は、これから進学を控えている高校生はもちろんのこと、参加年齢に制限がない社会人の学び直しを受け入れているものまで様々です。東京大学では、毎年春と秋の年2回に渡って公開講座が開かれています。例えば、2024年6月に開催予定のテーマは「制約と創造」です。9名の講師がそれぞれの研究を元に、自然や人がもたらす”制約”が、いかに”創造する”という行為に影響を与えうるのかを学ぶ講座を開講します。誰でも簡単に自身の創造性を発信することのできる時代だからこそ、本質に迫るようなテーマに対して、トップクラスの研究者から学べる機会は、私たちにとって貴重な時間になります。

講座は多種多様

公開講座情報を入手したいと思ったとき、気になる大学名で検索し、公式ホームページから情報を得る方法のほか、数多くの大学の公開講座の情報がまとめられ、分野や価格、時間などから、自分にあった講座を選べるWEBサイトもあります。

分野は大まかに分けて、ビジネス・語学・実用・資格・教養・趣味に分かれており、特に社会人のための教養講座やPCスキル獲得、資格獲得などの講座は開催数も多く人気を集めています。他にも誰もが耳にしたことのあるような歴史的作品を、もう一度時代背景から学び読み解く講座や、茶道や絵画など新しい趣味に挑戦するきっかけになるようなものまで、初心者から上級者まで楽しめるような講座が開かれています。

東京芸術大学では、こどもたちのために、普通では弾くことのできない楽器、例えばチェンバロやパイプオルガンなどの公開講座が開かれており、誰でも、その魅力を体感することができます。幼少期のこうした体験が、豊かな感性を育んだり、一流の芸術家を生むきっかけにつながります。

勉強だと考えると途端にネガティブなイメージを抱いて億劫になってしまったり、仕事や育児で忙しく時間がなかったりと、学習に関しては人それぞれ色々な考え方や立場の違いがありますから、何が良くて何が悪いかは普遍的ではありません。しかし、どのような状況の方でも興味を引かれるような講座が、全国各地の大学でたくさん開催されています。ぜひこれを機に調べてみてはいかがでしょうか?そこには、これからの人生になにかヒントを与えてくれるような学びがあるかもしれません。

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KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。

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