検定の楽しみ方

2024.11.12暮らし

広がる検定の世界

「検定」と聞くと、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。英語や数学の資格試験、ビジネススキルの証明となる検定などを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、近年注目されているのは、趣味やライフスタイルに密着したユニークな検定です。「ねこ検定」「世界遺産検定」など、専門的な知識を深めるものから、好きな対象についてより知識を広げ、楽しむことを目的とした検定が人気を集めています。書店に行けば、さまざまな分野の検定問題集が並ぶコーナーを見かけるでしょう。その豊富なラインナップに、多くの人が思わず足を止めてしまうはずです。

こうした趣味に特化した検定が人気となっている背景には、「好きなことをさらに深めたい」という人々の気持ちがあります。SNSや動画サイトを通じて、趣味や「推し」を共有し合う文化が根付き、誰もが自分の好きなことを語る時代になりました。「推し活」という言葉も広く知られるようになり、趣味を同じくする仲間と楽しみを共有することが当たり前のようになっています。検定は、そうした「好き」を形にするための手段のひとつ。知識を増やし、興味の対象について学ぶ過程を楽しむことで、趣味の世界により深く入り込むことができるのです。

また、趣味に関連する検定の種類は、実に多岐にわたります。例えば「ビール検定」や「チョコレート検定」などの食に関するもの、「薬膳・漢方検定」のように健康やライフスタイルを意識したもの、さらには人気キャラクターの歴史や設定を深掘りするものまで存在しています。特定のジャンルに関連する検定を受けることで、その分野への愛着がさらに増し、知識や経験が新たな形で蓄積されていきます。一つの趣味に一つの検定があると言っても過言ではないほど、そのジャンルは多岐にわたり、まるで自分の好きな世界がより広がっていくようです。

人気の背景

検定が注目される背景には、「趣味を通じて充実した生活を送りたい」という思いもあるでしょう。趣味は、日々の生活に彩りを与え、仕事や家事・育児などを頑張るための活力にもなります。そして、好きなことに集中しているときは、ふとした瞬間に新しい自分や他者との出会いが生まれることもあります。検定を通じて得た知識や経験は、日常会話の中で話題を生み、新たな交流のきっかけとなることもあるでしょう。

また、最近では、各分野の協会や団体が開催するイベントで、検定も同時に行われるケースも増えています。例えば、パンの試食イベントや音楽フェスなどで検定が開催されることもあり、イベントを楽しんだ後にその知識を試すことができるというユニークな楽しみ方が提供されています。これにより、イベント自体が学びの場となり、その場の興奮がそのまま検定の挑戦意欲につながるような流れが生まれています。こうした取り組みは、ただ「学ぶ」だけでなく、知識を体験し、楽しみ、そして自分の中に残していくことができるため、より魅力的なものとなっているのです。

検定は、資格を取ることが目的ではなく、「好きなことに対する学びを楽しむ」ことが本質です。実用性や必要性よりも、その過程そのものに意味があるのが趣味の検定の特徴です。知識を深めることで得られる達成感や、学びの中で感じる発見の喜びは、趣味に没頭する人にとって大きな喜びとなります。「自分が本当に好きなもの」を一層深く知り、愛着を持つ過程を楽しむことができるのが、検定の醍醐味といえるでしょう。

趣味の世界をさらに楽しみたい方には、まず書店で検定問題集を手に取ってみるのもおすすめです。

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KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。

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