2024.10.31暮らし
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は、ここ数年で急速に進化し、年齢層や使い方にも大きな変化が見られます。特に、YouTube、X(旧Twitter)、TikTok、Instagramといった主要なSNSプラットフォームは、それぞれ異なる年齢層に訴求し、特有の使用方法が定着しています。これらのプラットフォームの年齢層の変化と、それに伴う使い方の変遷を考察しました。
YouTubeは、2005年の設立以来、最も幅広い年齢層に支持されている動画共有プラットフォームの一つです。初期の頃は、若者がエンターテインメントや音楽動画を楽しむ場としての役割が強調されていました。しかし、近年では教育コンテンツ、レシピ、DIYチュートリアル、ニュース、ドキュメンタリーなど、ありとあらゆる多様なジャンルが充実し、視聴者層も多様化しています。
特に60代以上のユーザーが増加している点は注目に値します。これは、料理、趣味、自己啓発、フィットネスなど、実生活に役立つ知識を提供してくれることが一因です。さらに、懐かしい昭和の歌やドラマなどの切り抜きも多く、若かりし頃に戻ったような疑似体験ができることも理由の一つだと言われています。
一方で、若年層も引き続きYouTubeを活用していますが、TikTokの台頭により、より短尺の動画を好む傾向が見られるため、YouTubeはYouTube Shortsという短編動画の機能を導入し、若年層の関心を引き続き維持しようとしています。
Xは、元々はリアルタイムの情報共有や意見交換を目的としたプラットフォームでしたが、近年、その使い方に大きな変化が見られます。Xの利用者層は比較的幅広いですが、特に30代から50代のユーザーに支持されています。政治、経済、社会問題などに関心のある層が多く、Xはその即時性を活かしてリアルタイムでのニュースや意見を交換する場として機能しています。
しかし、最近では「拡散力」が強調されるようになり、ユーザーは自分の意見や作品をより広く届ける手段としてXをメインに活用する傾向があります。ミームやウィットに富んだ短文、画像、動画が拡散されることで、より多くのフォロワーを獲得しようとするクリエイターやインフルエンサーが増えました。リアルタイムに複数人での会話を楽しむスペースというツールも新たに加わり、大人の真摯な言論空間的な要素が新しいカルチャーを産みつつあります。
TikTokは、特に10代から20代の若者を中心に圧倒的な支持を得ています。2016年の登場以来、ショートフォームの動画コンテンツを通じて瞬く間に人気を博し、2020年以降、世界的に大きな成長を遂げました。TikTokの特徴は、音楽、ダンス、コメディ、チャレンジ動画といったエンターテインメント性の高いコンテンツを短時間で消費できることです。
最近では、徐々に30代以上の年齢層にも浸透しつつあります。特にDIYや料理、自己啓発といった教育的なコンテンツや、ビジネスやマーケティングを目的とした動画が増えているため、より幅広い年齢層のユーザーを惹きつけています。
食事や旅行の写真で一大ブームを巻き起こしたインスタグラムもTikTokの影響を受けてか、ストーリーズやリールといった短い動画コンテンツが主流となる傾向が見られます。一方でインスタグラムが他のSNSに比べて先行しているのが、ショッピング機能です。趣味のアクセサリー作りや洋服作りが、そのまま販売に繋がり、大きな収益を上げている個人が増えています。作品の良さはもちろんですが、商売っ気のなさ故に、友だちから作品を譲ってもらうような感覚で購入しているという人もいます。
SNSの年齢層や使い方は、各プラットフォームの特徴や新機能の導入によってダイナミックに変化しています。今後もさらに多様化することが予想されるので「追いつくのが大変!」というのが本音ですね。