2024.03.31暮らし
「代行サービス」と聞くと、運転代行や家事代行のサービスを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。時代の変化に合わせてライフスタイルが変化していくように、「代行サービス」もまた、新しい様々なサービスが生まれているのをご存じですか?
代行サービスを利用する場面として想定されるのは、自分でやる時間がない場合や、そのノウハウが無い場合だと思いますが、最もポピュラーで普及している「家事代行」サービスも以前に比べて様々な面で進化を遂げています。
まず、代行内容ですが、従来から要望の多かった「お掃除」「お料理」に加えて、「お洗濯」「ベビーシッター」「引っ越しの整理」などの特別メニューをサービスに加えた会社が増えています。従来は定期的に代行をお願いする人が多かったのですが、最近では、単発で限定的な代行を依頼される人が増加傾向にあり、そうしたニーズに応えるために各社が創意工夫しているようです。他にも、介護福祉士の免許取得者による「介護代行」や、多言語に対応したインターナショナルサービスを実施してる会社もあります。依頼の仕方もアプリ一つで簡単に操作でき、前日予約でも対応してもらえるサービスもありますから、突発的に代行が必要になったときのために、日ごろからチェックしておいた方が良さそうです。
「ふるさと納税代行」は、50万円以上のふるさと納税をする人に代わって返礼品選びを代行するサービスです。ふるさと納税寄付額が50万円以上になる場合の年収の目安は2,000万円と言われていますが、すでに登録者数が3,000人を突破しており、年々増加傾向にあります。運営会社の話では、利用者は株の売却益などで一時的に大きな収入があった人が多く、「返礼品で損をしたくない」という理由から適切な返礼品選びを代行サービスに依頼するそうです。過去の最高納税額は、なんと2億円で、受け取る返礼品の総額も約6,000万円になったそうです。他にも、「1万円の返礼品を100人の知人に贈りたい」という依頼を受けて、返礼品選びから配送まで請け負ったこともあるようです。
日本人が伝統的に受け継いできた文化や習慣を、自分たちの世代で壊すことなく、できる限り守っていきたいと思っている人が多いのではと思います。しかし、時代と共に社会構造が変化し、働き方や時間の使い方も変わってきており、文化や習慣を守りたくても、そこに時間を割けない人もいます。そういうニーズにマッチした代行サービスは、誰にとっても非常にありがたいものです。
「お墓参り代行」は、そんなニーズに応えたサービスです。労働者の大多数は都市部で働いていますが、先祖のお墓は故郷や郊外にある場合も少なくありません。お盆や、お彼岸にお墓参りをしたくても時間がとれない人に代わって「お墓参り代行サービス」が、お墓の清掃、草むしり、お参りなどを代行してくれます。代行後に写真付きの報告書を提出してくれますので、実情を目で確かめることができます。このサービスは、ご高齢の人にも重宝されています。決して遠方にある訳ではないお墓でも、高齢者には往復するだけで負担が大きく、まして、清掃作業などはとてもできないという人もいらっしゃるので、こうした利用者が毎年伸びているそうです。
プライベートな時間が最も少ないのが、子育て世代の人たちだと思いますが、働くママやパパにとって嬉しい代行サービスもあります。
「PTA代行サービス」は、時間とノウハウの両方を提供してくれるサービスです。女性の社会進出が一般的になった現代では、両親が働いていて、休日以外は子どもの学校関係の事に関わることができない家庭が増えてきました。それでも義務教育の現場では、保護者が学校行事などをサポートする必要があり、PTAの中で役割を与えられるケースもあります。PTA業務の日程が勤務日と重なった場合、両親ともに有給休暇を取得できるとは限りません。そんな時に「PTA代行サービス」に依頼すれば、ノウハウを持った担当者が依頼主に代わってPTAの業務をこなしてくれます。特に、イベント運営などの場合は、現実問題として人手が必要な訳で、都合のついた保護者だけに負担をかけるわけにもいきませんので、代行サービスが重宝されているようです。
「代行サービス」には、他にも色々なものがあります。最近では、クラウドソーシングサービスに登録して、企業に所属しなくても個人で代行サービスを提供するというものもあります。自分でできることは自分でやりつつも、難しいモノは代行サービスに委託する、そんな時代が既に到来しているようです。