eスポーツが熱い!

2023.12.04暮らし

「eスポーツ」と聞くとどんなイメージがありますか?「ゲームで戦うんでしょ?」ぐらいの回答は容易ですが、eスポーツの世界がどんなものなのか具体的な知識を持っている人は少ないのではないでしょうか。実際には、ここ最近日本でも様々な企業によるコラボや世界的に活躍するeスポーツプレイヤーが生まれるなど、にわかに注目を集め始めています。

そもそもeスポーツとは?

「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。

日本では2000年ごろからeスポーツという言葉が使われ始め、2007年には日本eスポーツ協会設立準備委員会が発足しています。競技人口は世界で1億3000万人、特にアメリカで人気があります。日本の競技人口は約390万人で、そのうち世界的な大会に出場するプレイヤーは700人ほどだそうです。”プロ”のライセンスは15歳以上で義務教育が終了している人という条件を除けば、能力さえあれば高校生でもプロプレイヤーになることが可能です。実際に全国都道府県対抗eスポーツ選手権では2019年から年齢制限のないオープンの部と高校生の部があり、幅広い世代が出場できます。CMなどでもよく見かける携帯ゲームから多くの人が一度はやったことがあるような有名パズルゲームまで、身近なゲームが競技になっています。

国内外で様々な大会が行われていますが、すでに、IOC初の試験的な取り組みとして国際競技連盟やゲーム会社と連携して「オリンピックeスポーツシリーズ」が開催されています。競技にはアーチェリー、サイクリング、セーリング、ダンス、チェス、テコンドー、テニス、モータースポーツ、野球、射撃の全10種目があり、世界的なバーチャルシミュレーションスポーツ競技大会として世界から注目を集めています。また、アジアのオリンピックと言われる「アジア大会2023」において、eスポーツが正式競技として採用され、サッカーゲームやバトル型のゲームなどが実施されました。さらなる追い風として、今年9月に国際オリンピック委員会(IOC)が「eスポーツ委員会」の新設を発表し、いよいよ五輪での採用が現実味を帯びてきました。

人気の秘密は?

eスポーツは、従来のスポーツと違って強靱な肉体や高い運動能力を持たない人でも活躍できる可能性があるところが、一番の魅力だと言われています。もちろん、プロになるには高い動体視力や俊敏な指の動きなどを必要とされますが、競技に参加するだけなら私たちのような一般人でも十分可能です。また、YouTubeなどの動画サイトにおいて対戦実況のライブ配信が人気を博しているように、観る楽しさも人気の秘密の一つです。観戦もオンライン上からパブリックビューイングまで好きな観戦スタイルを選べたり、推しの選手を見つけて応援したり、推しのグッズを買うなど、楽しみ方も色々です。いまや、観るだけの人も含めたeスポーツファンの人口は急激に増加しており、2023年には1,000万人を超えると言われています。

観るだけのファンが競技に参加するようになり、そこから鍛錬を重ねてプロになる人も少なくありません。一昔前なら「ゲームおたく」と呼ばれていたかもしれないような人が、ひとたびプロになって優勝すると、とんでもない賞金を手にする可能性があるわけですから、とても夢のある世界です。世界で一番高額な賞金は$40,018,400(約53億円)。日本のプロeスポーツ選手でも、すでに賞金総額1億5000万円を獲得している人もいるようです。

ここ数年、子ども達が将来なりたい職業として「YouTuber」がランクインするようになってきましたが、「プロeスポーツ選手」も、あと数年で上位に登場する日が来るのではないかと思います。そう思えるほど、まだまだ始まったばかりだと思っていた「eスポーツ」が、まさに今、熱く盛り上がる時を迎えようとしています。

− writer

placeholder image

KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。

recommend

おすすめのコラム