2023.07.31暮らし
”男のロマン”として多くの男性たちに夢を与え続けている「バイク」。
ところが、最近は、街中はもちろんのこと、高速のパーキングエリアでも女性ライダーの姿を見る機会が増えたと感じる。SNSで検索してみるとバイクに乗った女性たちの素敵な写真がいっぱい!どうやらバイクの魅力は、いまや女性にも届き始めているらしい。
バイクが女性にとって身近なものになったきっかけの一つは、コロナ禍での移動手段だという。密を避けた通勤手段として、車に比べて利便性が高いからだ。もちろん、自転車ほど手軽ではないが、ある程度の距離を移動しなければならない場合には、価格や駐車場の問題などを考えるとバイクを選択する方が増えることに、なんら違和感を感じることはない。実は、この背景に法律改正の後押しがあった事をご存じだろうか?2018年にAT⼩型限定普通⼆輪免許が最短2日で取得可能となる道路交通法施⾏規則の改正があった。そのため、時間をかけて教習所通いする必要がなくなり、空いた時間で手軽にバイク免許がとれるようになったのだ。
きっかけはどうあれバイク女子たちは、どんな気持ちでバイクと接しているのか気になるところだ。彼女たちのSNSの投稿をチェックしてみると、従来の”男性的なイメージ”とは少し違うことに気づく。自身のバイクとのツーショット写真は、カジュアルな格好もあれば、おしゃれなスタイルの場合もある。投稿のほとんどが、フレッシュで生き生きとした日常の切り取りで、それほどバイクにフォーカスした感じはない。バッグなどと同様にファッションの一部のようにも見える。
一方で、男性ファンに多くみられる「ツーリング」の投稿が無いわけではない。「ツーリング」というリアルなバイクの爽快感を女性ならではの細やかな視点で紹介している動画も多い。男性の「ツーリング」投稿は、バイクで駆け抜けることに重心が置かれているのだが、女性の「ツーリング」は、”趣味withバイク”の色が濃い。つまり、最初に”バイク”ありきではなく、「どこに行って、何をするか」の比重が少し高いのだ。例えば、ソロキャンプや釣り、カフェ巡りやパワースポット巡り等々がそれにあたる。
元々、同じ趣味の人たちがSNSを通してつながっていたところに、バイクという横串が通ることによって移動範囲や活動時間が広がり、結果として、趣味の到達度が充実する。それを見た方が、少しづつバイク女子に変身していくという図式が、バイク女子の風を吹かせているようだ。自由に趣味を楽しんでいる姿は、誰であっても生き生きとしていてかっこいい。そこに、今までは存在しなかった”バイク”が加わるのだから、「共感」に敏感な女子の心を掴むに相応しい役者はそろっていると思う。