2023.03.30暮らし
2022年4月からの”改正育児・介護休業法”の施行により男性版の育休とも言われている「出産育児休業」に注目が集まっています。この育児休業は、生後8週間以内に最大4週間、また2回に分割して取得することが可能で、申請時期も従来の1ヶ月前から2週間前に変更になりました。
改正前の2021年の男性の育休取得率は14.0%となっており、女性の85.1%と大きく差がありましたが、時代の流れは、男女共に子育てに積極的に参加する方向に変化してきています。法の施行から約1年経った今、調査によると「未来のパパ」の約7割が育休の取得を希望していますが、果たして状況は改善されたのでしょうか。
今まで働く女性たちは妊娠や出産、育児によるキャリアの断絶や復職への不安などを多く抱えていましたが、男性の育休取得希望者は女性以上に不安を抱いているようです。多くの企業で前例がなく、職場に浸透していない環境下では仕事のバランスや責任を考えてしまい「言いづらい」との声が聞かれます。また、一般的には「育児は女性がするもの」という旧来の概念は変化の兆しを見せつつも、周囲からの理解やサポートといった会社の体制までは、すぐには変わらないことが多いようです。
メディアのアンケート調査によると、もうひとつの不安として、「家計の収入が減ってしまうのではないか」という声も多く寄せられているようです。しかし、雇用保険に加入している場合は育児休業給付金を受け取ることができます。育休開始から6ヶ月は休業前の給料の67%、それ以降は50%の額を支給され、さらには社会保険料も免除になるため実質80%ほど補えます。こうした保障を活用すれば、収入減の不安は解消されるはずです。
実際にパパが育休を取得したママに「パパの育休についての満足度」を聞いたところ、約80%のママが「満足」と答えています。
パパがやったことで満足度の高かったものは以下の通りです。
・上の子のお世話
・買い物、掃除、洗濯などの家事全般
・子どものお風呂、夜間の授乳
・おむつ交換や着替え
これを見ると、パパは、育児や家事の一部分をサポート・手伝うというレベルではなく、産後のママに負担をかけないように家庭で大きく活躍していることが分かります。出産を乗り越えたママとパパが、生まれてきた赤ちゃんのためにも協力し育児をすることで、育児の大変さだけでなく、喜びも一緒に分かち合うことができているようです。男性が育休を取ることを目的とせず、手段としてしっかり活用し、育児に向き合える時間をすこしでも増やしていくことが、これからの家族の基本になっていくようです。また、キャリアに関しても夫婦どちらかが犠牲になるのではなく、一緒に乗り越えるべきものになってきているのだと思います。