すこやかな日々のために”フェムテック”を

2023.02.09キレイ

フェムテック(Femtech)という言葉をご存知でしょうか?
フェムテックとはfemale(女性の)とtechnology(技術)を掛け合わせた言葉で、女性のライフステージにおける「月経」「不妊・妊活」「女性特有疾患」「セクシャルウエルネス」「妊娠・産後」「更年期」などの様々な課題を解決できる製品やサービスを指す言葉として使われるようになりました。
海外ではすでに新しい市場として大きな注目を集め、その波は日本にも来ています。今回は海外でのフェムテックの在り方を探りながら日本の現状を商品やサービスの例を交えてご紹介します。

一人一人に寄り添うサービス

フェムテックのサービスや製品にとって一番大切なのは、一人一人が自主的に自分にあうものを選べるような寄り添い型のサポートがあることだと言われています。
アメリカでは避妊に効果がある低用量ピルを病院に行かずに受け取れるサブスクリプションサービスが主流になりつつあります。手軽な値段で継続しやすくオンライン診察などの万全な体制もあり、さらに、毎月ギフトのようにお菓子や雑貨などが一緒に送られてくるため、便利さだけでなく楽しさも感じられるサービスとして人気を博しています。
イギリスでも生理用品のサブスクリプションサービスが話題になっています。そのうちの一つ「freda(フリーダ)」では様々なサイズのナプキンから月経カップなど色々な生理用品が自由に選べるようになっています。加えて、生理用品が手に入らず困っている人へ製品を無償で届けるチャリティーシステムも組み込まれているなど、女性の生理にまつわる心身の問題だけでなく、貧困女性支援といった社会問題にもアプローチしているところが注目されています。

わたしたちの身近にも

国内において、ここ数年で女性の働き方が大きく見直されてきましたが、一方で女性特有の体調に触れることはタブー視されてきました。しかし、生理痛や月経前症候群などによる女性の労働力の低下が、年間6,000億円以上の経済損失を生んでいるとも言われており、女性の健康が社会に大きく影響していることへの認識が高まっているのも事実です。女性の社会進出が進む中、社会全体が女性特有の体調に対する意識を変えていこうとしています。その端的な例がフェムテックと言えるのではないでしょうか?

例えば、更年期がもたらす社会への影響については今まであまり注目されてこなかったのですが、女性のライフステージにおいて心身ともにとても影響の大きい問題であり、中年女性の多くが更年期に悩んでいます。とあるオンラインメディアでは、日本初の更年期の悩みに寄り添うオンラインサービスを運営しています。更年期特有の悩みに関する記事や体験談、体調のセルフチェックリストなどがあり、チャットで個人的に相談できるような新サービスも準備されています。
他にも、ショーツ自体が経血を吸収する「吸水性生理ショーツ」などフェムテックを意識した商品開発も進んでいます。自治体においても女性のライフステージにおける様々な課題の理解を深めるセミナーを開催したり、LINEを活用した妊活コンシェルジュサービスなど、女性の健康課題をサポートする製品・サービスの導入が拡大・急増しています。

悩みに寄り添い一人で抱え込まなくてもいいのだという気持ちにさせてくれる製品やサービスが充実していくことは、一人一人の女性だけでなく社会全体が自分らしく過ごせることへつながっていくのではないでしょうか。 

− writer

placeholder image

KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。

recommend

おすすめのコラム