備えあれば憂いのない「防災アイテム」

2023.08.28雑貨

9月1日は「防災の日」です。これは、1923(大正12)年9月1日に起きた「関東大震災」が由来となって制定されました。日本は地震や台風などの被害の多い国です。特に昨今では、積乱雲が列をなす「線状降水帯」の影響により各地で水害が多発しています。私たちも日頃から防災意識を高め、備えをする必要があります。

防災グッズの基本

防災グッズを揃える際、最も選ばれているのは「防災キット(バッグ入り)」です。多くのメーカーから販売されていますが、予備知識があまり無い方にはひとまず防災キットを揃えることをオススメします。防災キットの中身は、それぞれ少しづつ違いますが、基本的には下記の様なものが含まれています。

アルミシート、アルミブランケット、スプーン・フォークセット、ティッシュ、プラカップ、ホイッスル、ボディタオル、ポリ袋、マスク、ラップ、ラバー手袋、ライト、レインポンチョ、割り箸、給水バッグ、携帯トイレセット、紙皿、歯ブラシ、筆記用具セット、絆創膏、スマホ用バッテリー、防災ラジオなど、バランスが難しいのですが「足りなくならない程度、欲張らない程度」にするのが良いと言われています。

中でも、「防災ラジオ」はとても重要なアイテムです。災害が起こると、スマートフォンでネットにアクセスしたり、テレビを見たりすることが難しくなります。正しい情報をすぐに知れるよう、電池が切れても使えるような充電機能が付いているラジオや、FM放送(特にワイドFM※に対応したもの)とAM放送どちらも聞けるものを選ぶのがおすすめです。充電方法として手回し発電やソーラータイプがありますが、オススメはソーラータイプです。

他にも「防臭袋」や「ワンタッチヘルメット」など、需要が高まっているアイテムがあります。「防臭袋」は、汚物をしばらく置いていても臭いが漏れにくい設計になっており、断水などの際に重宝されています。「ワンタッチヘルメット」は、ワンタッチで大きくなるコンパクトなヘルメットです。家族全員の分を用意しても場所をとらないので、防災グッズの人気商品となっています。これ以外にも備えておくと便利なアイテムは色々ありますので、保管スペースを考えながら、家族構成や地域特性などに応じて選ぶと良いと思います。

※「ワイドFM」とは、FM電波でAM放送が聞けるラジオ

おすすめの非常食

必要な防災アイテムは、先に紹介したグッズ類だけではありません。それ以上に重要なものは水と食糧です。日本政府は、今後懸念されている南海トラフ巨大地震や首都直下地震に備えて、国民に対して「最低3日間、推奨1週間」の水・食料等の備蓄等が望ましい、と推奨しています。一人当たりが必要とする1週間分の水は20リットルと言われていますが、最近の傾向として停電時でも使えるウォーターサーバーを備蓄代わりに使っている家庭が増えていると聞きました。ウォーターサーバーであれば、日常的にもおいしい水をいただけるだけでなく、1本が10~15リットルぐらいなので、常時2~3本を置いておくだけで防災備蓄になります。

防災用の備蓄食糧品と言えばカンパンのイメージが強いのではないでしょうか?今でもカンパンは多くの防災キットに含まれていますが、最近は、備蓄食糧品もかなり多様化してます。スーパーやコンビニなど小売店への流通が途絶えた場合などは、缶詰やインスタント食品、レトルトなどを備蓄しておけば、カセットコンロと水さへあれば、普通の食事に近いものが可能です。一方で、消費者の間では、もっと過酷な条件を想定して火や水がなくても食べられる食品を備蓄する傾向もみられます。代表的な例は、レトルトのおかゆやスープです。もちろん温めた方がおいしいのですが、冷たいままでいただけますし、保存期間も5年以上のものが多数あります。他では、最近人気なのが「パン」です。多くは缶詰やラミネート包装で、やはり保存期間が5年以上、手軽に食べられ予想以上においしいと評判です。

防災用の備蓄食糧は、日進月歩で開発、改良されていますが、驚くべきは保存期間が、どんどん長くなっていることです。上述したように、今や5年の保存期間が一般的ですが、白いご飯でさえ、炊飯後に乾燥させて作ったアルファ化米なら5年間、保存ができます。最新の備蓄食糧の中には、25年保存可能なおいしい備蓄食も登場しています。これらの多くはフリーズドライ製法のもので、水と火は必要としますが、消費期限を意識しなくても良いほどの期間なので、かなり注目されています。

食品も食品以外も工夫を凝らした防災関連アイテムが多数販売されていますので、9月1日の防災の日を契機に、自宅の防災アイテムを見直してみることをオススメします。

− writer

placeholder image

かんのようこ

フリーライター。イラストレーター。絵本や「食」にまつわるエッセイなど執筆。

recommend

おすすめのコラム