シーグラスと海の美化

2023.09.25雑貨

海辺の砂浜を散歩していると貝殻や珊瑚に混じってキレイなガラス片を見つけることがあります。これを「シーグラス」というのですが、「海からの贈り物」や「海の宝石」と呼ばれ、珍しい色のものや整った形のものはアクセサリーなどに使われています。

シーグラスのアクセサリー

「シーグラス」は、海岸に捨てられたガラス製の容器などが割れ長い年月をかけて角がとれ、つるつるとした曇りガラスのような風合いへと変化したものの総称です。その美しさからコレクターも多く、ハンドメイドのアクセサリーや小物も人気を集めています。

手作り品のECサイトをのぞいてみると、リング、ネックレス、ピアスとシーグラスを使ったアクセサリーが数多く並んでいます。シーグラスは、元々、色や形、大きさなどが一つ一つ違うため、アクセサリーはどれも個性的な一点ものです。加工の技術も素晴らしく、涼しげで夏らしいものから高級感のあるものまでが揃っています。

シーグラスを海辺で探して、自分だけのアクセサリーを手作りする人も増えています。初心者でも手軽に作りやすいのはネックレスやチョーカーといったもので、シーグラスを細い針金などで固定をして、紐部分とくっつければ完成です。麻や革などの紐を使うとネイティブ系のアクセサリーに、シルバーなどを使うと少しゴージャス感のあるアクセサリーとなります。シーグラスに穴を空けてそこに紐を通したり、市販パーツとシーグラスを接着剤で固定してピアスを制作するなど、プロ顔負けのアクセサリー作りにチャレンジしている方もいるようです。

環境問題への配慮

海の宝石とも言われるシーグラスですが、元々は人間が出してしまったゴミからできていることを忘れてはいけません。海の環境問題、なかでも海洋ゴミはかなり深刻な問題になっています。海洋ゴミの内訳をみてみると、7割近くがプラスチック製品、缶が2割、ガラス製品・その他は1割となっています。出るゴミを減らすと同時に、既に出てしまった海洋ゴミを回収する活動も、企業から個人にいたるまで様々な取組みがされるようになりました。

さらに一歩進んで、海洋ゴミを活用しようとするプロジェクトも全国各地で精力的に行われています。例えば、海からプラスチックを回収し、美しくて丈夫な工芸品へと生まれ変わらせることに取り組んでいる企業があります。便利さゆえに安易に捨てられてしまうプラスチックを、長く大切に使うものへとイメージを変えるために活動しているそうです。

シーグラスアーティストさんの中にも、シーグラスの人気を海の美化へ繋げようと活動されている方がいます。そこでは、シーグラスを使った絵やランプの展示イベントと同時に海洋ゴミの問題を啓蒙する活動も展開しています。シーグラスアーティストであるにも関わらず、最終的にはシーグラスが一つも拾えなくなることを目標にされているそうです。

こうした活動を通して、すべての海洋ゴミが私たちの大切な海からなくなる日がくることを期待したいと思います。