敢えて、ノンアルで楽しむ~ソバーキュリアスなスタイル

2022.08.07食べもの

今「ノンアル」が注目されていることをご存知でしょうか?
「ノンアル」とは、ノンアルコール飲料、つまりアルコールゼロのお酒風味のドリンクの総称です。

「ノンアル」はコロナ禍で家飲みやオンライン飲み会が増えると同時に支持されるようになりました。理由の一つとして、「より健康志向が高まった」からだと言われていますが、究極は、20〜30代を中心に支持され始めている「ソバーキュリアス※」というライフスタイルです。これは、禁煙同様に健康的で有望な選択肢として自ら禁酒を選ぶライフスタイルです。こうした社会的な背景が反映されてか、「ノンアル」は、日々、需要が高まり、かつ、どんどん進化しています!
今回は、そんな「ノンアル」の現状と魅力をご紹介します。

※「ソバーキュリアス」とは、Sober(しらふ)とCurious(好奇心)を組み合わせた造語で、お酒を飲める人があえて「お酒を飲まない」もしくは「少量しか飲まない」というライフスタイルや考え方のこと。ルビー・ウォリントンの著書「飲まない生き方 ソバーキュリアス」で提唱された。

お家でも、外食でも

スーパーやコンビニに並ぶノンアルコール飲料はお手軽だけれど、なんだか似ても似つかない味や甘いだけのジュースみたい・・と思われている方も少なくないのではないでしょうか。そんなイメージを一新するような商品がここ3年ほどで続々と発売されています。
最初にノンアルとして登場したのはビールテイストがメインでした。当初は味に対する不評が続いていたものの、飲料会社の様々な開発により本物のような味わいの商品が次々と登場。さらにはプリン体ゼロ、中性脂肪の吸収抑制など健康に気を使った商品も増え、試して見ようと思う方の幅が広がって行きました。ビールテイスト以外にも、人気の缶チューハイのノンアルコールバージョンが登場したり、ワインを蒸留してアルコール分を抜いたエキスで作られている本格的な味わいのノンルコールワインが登場したり・・。好みに合わせてノンアルを楽しめるような商品が色々と用意されています。
自宅でノンアルを楽しむ派には、気持ちとしては毎日お酒を楽しみたいけれど、健康を気遣った結果、平日はノンアルにしておいて、週末だけお酒にするというプチ・ソバーキュリアスなスタイルの方も多いと聞きます。

外食においても、ビールテイストのノンアルは、いまやメニューに取り入れていない店の方が少ないくらい浸透していますが、それ以外のノンアルを飲めるお店はまだまだ少ないのが実情でした。そんな中、渋谷センター街に6月30日にオープンしたノンアル・低アルカクテル専門のバー「SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバー シブヤ)」は、お酒が苦手な人や飲めない人もみんなで楽しめる場所を提供することをコンセプトに、0.0%・0.5%・3.0%の、それぞれの度数のカクテルが100種類以上を用意され、飲まないひとも飲めないひともそれぞれのTPOに合わせて選ぶことができるスタイルをが人気を博しています。

食事の際に、お酒を嗜むという習慣は、和洋いずれの料理においても定着した文化だと思いますが、「ノンアル」が登場したことで、お酒が飲めない人(日本には4000万人いると言われている)にとっても、あまり気兼ねせずに同席でき、お付き合いの幅が広がったような感覚があるのではないでしょうか?
「ノンアル」は、発売当初、ドライバー専用的な扱いをされたこともありました。しかし、今や、飲料メーカーにとっては、お酒の飲めない4000万人の市場を開拓する切り札であり、同時に「ソバキュリアン」という新しいタイプの人々までも生み出した魔法のカードにもなっています。個人的には、味や風味がさらに改良され、お酒を超えるようなテイストのノンアルが出てくることを期待してやみません。

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KEI

写真付きコラムの執筆。コミュニティクリエイター。フォーチュンテラー(タロット)。日本大学藝術学部写真学科卒業。