スーパー大麦バーリーマックス®が注目される訳

2019.10.30食べもの

食物繊維の役割

日本で食物繊維が注目されるようになって、かれこれ30年が経ちました。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、最近特に注目されているのが水溶性です。野菜に含まれる食物繊維の多くはセルロースやキチンなどの不溶性です。不溶性食物繊維は、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を盛んにし、消化管を通過する時間を短くしたり、消化管内で水分を吸収して膨らみ、それによって便の量を増やして排泄を促進します。
一方の水溶性はというと、小腸での栄養素の消化吸収を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、コレステロールやナトリウムを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値の低下や高血圧予防する効果も期待できます。他にも、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果があると言われています。

スーパー大麦は驚異の食物繊維量

スーパー大麦「バーリーマックス®」は、食物繊維を非常に多く含む食品です。水溶性と不溶性を合わせた総食物繊維量は、一般的な「大麦」に比べて2倍、最近流行の「もち麦」と比べても1.6倍の量なのです。「バーリーマックス®」という名前は、オーストラリア連邦科学産業研究機構が開発した新種の大麦に付与された名前です。遺伝子組換え技術は用いずに、交配・育成を繰り返し、10年の歳月をかけて研究・開発されました。
バーリーマックス®は、フルクタン、β‐グルカン、レジスタントスターチという3種類の食物繊維を含んでいます。(注:レジスタントスターチは食物繊維様成分)フルクタンは、分子量が小さく、大腸の入口あたりで腸内細菌に働きかけます。同様にβ‐グルカンは大腸の中ほどで、レジスタントスターチは大腸の奥に届いて腸内細菌に働きかけます。つまり、段階的に腸の入り口から腸内細菌が多く棲む「腸の奥」まで食物繊維が働きかけて、最近よく耳にする「腸内フローラ」(腸内の細菌環境のようなもの)を整えてくれると言われています。
スーパー大麦は、手軽にとれるのも魅力ですので、ぜひ、色々なものに活用してみてください。

− writer

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甲斐 ツマオ

エッセイスト。漫画原作者。映像作家。

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