2022年のサッカーW杯は大きな盛り上がりを見せましたが、サッカーに限らず、ここ数年、スポーツ観戦を楽しむ女性ファンが急増しています。
5年前に広島カープを応援している女性を指す”カープ女子”という象徴的な言葉が流行しましたが、その背景には、女性ファンを増やしたい主催側の努力や会場施設の楽しみ方が多様化していることなど、いくつかの理由が考えられます。

なぜ、女性が増えたのか？

どのスポーツにおいても女性が観戦に行く最初のきっかけは家族・友人・恋人から誘われたからという理由が多く、そこから再び観戦に行き、さらにファンになっていくには、いくつかの要因が考えられます。
一つは、純粋に試合に感動したからでしょうが、市場調査によると、女性の場合、チームのSNSなどを見て、試合ではわからなかったチームの努力や選手の個性など、背景にあるストーリーに惹かれ、また見に行ってみようと思うことがあるようです。女性にとっては、贔屓チームの勝利もさることながら、個々の選手への”共感”がとても大切なのだと思います。そのため、若い世代の女性ファンが急増しているプロバスケットのBリーグでは、ファンに楽しんでもらうため、公式Instagramの更新が積極的に行われています。また、女性だけの特典が付いたレディースチケットを販売するなどの工夫をしています。例えば、女性ファンはチームとの一体感を感じてもらうようなイベントに参加できたり、女性ならではの美容関連のイベントやネイルサロンを利用できたりなど、積極的に試合会場へ足を運んでもらう努力をしていることは見逃せません。

もう一つ女性ファンが増えたきっかけには、スタジアムグルメ、略して”スタグル”の存在も大きいと言えるでしょう。今まではホットドックや焼きそばなどの軽食とビールやお酒が定番でしたが、近年ではグルメフェスタなどの食イベントに匹敵するようなバライティ豊かなグルメが手軽に味わえるような会場が増えています。スタジアムのある地域の特産品が食べられるご当地グルメやスイーツはもとより、可愛いヘルメット型の器を用意している野球場や本格的な台湾料理が楽しめるアリーナなど多種多様なグルメが用意されています。
スポーツを仲間と一緒に応援し盛り上がる一体感を経験するだけでなく、おいしいものまで食べられる訳ですから、「お出かけ・デートスポットとしてアミューズメントパーク以上の楽しみが味わえる」と口にする女性が増えているのもうなずけます。